シングルオリジン小麦とは。

シングルオリジン小麦とは。

シングルオリジンとは。

シングルオリジンとは、多くの場合、1つの国の1つの生産者、作物、または地域から調達されたことを意味します。現在シングルオリジンコーヒーというものを耳にすることが多くなりましたよね。

多くの小麦粉は都道府県別に原産地表記されていることが多いです。例えば小麦粉のパッケージに「北海道産」と表記されていた場合、複数の地域から小麦を仕入れ、混合され、製粉されています。

シングルオリジンでもっとも重要なことは、トレーサビリティです。トレーサビリティとは、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにするために、追跡可能な状態にすることです。つまり、生産者の顔がわかり、産地をだどることができることで、消費者はより安心して使用できるのです。

ベーカリスタでシングルオリジンを取り入れる理由。

ベーカリスタでは、はるゆたか小麦やスペルト小麦など、一部の商品にシングルオリジンを取り入れています。私たちがシングルオリジン小麦にこだわる理由は3つあります。

①「作る人」と「食べる人」をつなぎたい。

「この小麦はだれがどこで作ったものなのだろうか。」 産地が特定できないと不安になることがありますよね。生産者も同様です。私たちが育てた小麦がどこに届いて、だれに喜ばれているのかを知るすべがありませんでした。

生産者には生産者の思いやプライドがあり、食べる人は安心でおいしいものを食べたいという思いがあります。シングルオリジン小麦は、その両者の思いに答えます。

②価値のある高品質のものを提供したい。

小麦は毎年同じ品質の物になるとは限りません。去年のものと今年のもの、また、産地によってばらつきがあります。ブレンドした小麦粉は、良くも悪くも一定の品質を保っています。
生産者にも、腕のある人とそうでない人がいるでしょう。私たちは、信頼のある優れた生産者から小麦粒を仕入れることで、より高品質な小麦粉を提供したいと考えています。生産者にも代々受け継がれてきた熟練の農法があり、プライドがあるのです。

③コストを抑えることができる。

小麦粉が手元に届くまでにどのくらいの会社や業者が携わっているのでしょうか。 さまざまなケースがありますが、多くの場合、小麦が収穫されてから手元に製品が届くまでに、①農業組合、②製粉工場、③加工場、④卸業者、⑤小売業者などが携わっています。また、商流によっては複数の卸業者が挟むケースもあり、製品化されてからも多くの業者が携わっているのです。 仲介業者によって、効率よく品質が担保されている側面もありますが、その間に発生する運賃や人件費など、コスト増加にもなっています。

私たちが取り組むシングルオリジン小麦は、できるだけ仲介業者は挟まず、生産されてから新鮮な状態で迅速に出荷し、お客様の手元に届くことを目指しています。また、業者間の輸送に発生するコストをできるだけ抑え、環境への配慮、また、生産者には適正な価格で仕入れています。

シングルオリジンで気をつけたいこと。

シングルオリジン小麦のメリットは多いですが、良いことばかりでもありません。シングルオリジン小麦を選ぶにあたって気をつけたいことを2つご紹介します。

①品質が安定しない

消費者は、できるだけ品質の安定したものを使用したいというのが本音です。
しかし、小麦は農作物であるため、その年の天候や土の状態によって品質が変わります。ブレンド小麦粉の場合、品質のばらつきを異なる産地や年度のものを混合することによって成分を調整しています。 しかし、シングルオリジン小麦は単一農家・品種のものであるため、成分を調整することができません。去年はうまく扱うことができたのに、今年のものはうまくできない。などといったクレームになりうることがあります。

②在庫が確保できる保証がない

小麦の取れる量はその年によってばらつきがあります。なので、一般的にはサイロ(小麦を貯蔵する倉庫)に保管し、市場を見ながら少しずつ製粉し流通させていきます。
一方、シングルオリジン小麦粉はその年に取れたものを数回に分けて製粉し、その年で売り切ってしまうことがあります。そのため、秋に挽いたものが翌年の春には在庫がなくなってしまい、次に使用できるのは秋ころといったケースがよくあります。私たちは安定供給を目指しておりますが、そのようなケースが起こりうるということをご理解ください。

シングルオリジン小麦がおすすめな方

私たちはシングルオリジン小麦を提供することで、作る人と食べる人をつなげたいと考えています。もしあなたが次の3つに当てはまるなら、シングルオリジン小麦をおすすめします。
・その季節による変化を楽しみたい。
・安心できる素材を使用したい。
・その土地や農家を応援したい。

シングルオリジン小麦はその年によって成分のばらつきがあるかもしれません。しかし、成分にとらわれずに、生地状態を手の感覚でわかるようになれば、製パン技術が磨かれていくのではないでしょうか。季節による変化を一つの楽しみとして受け入れることができれば、パン作りもより楽しくなるでしょう。

生産者の顔が見えることで、その土地や生産者の想いを食べる人に伝えることができ、より安心しておいしいものをいただけるようになります。また、その農家を応援したいという気持ちが生産者にも届きやすく、より良い関係性をもたらすのです。

おすすめのシングルオリジン小麦粉

片岡はるゆたかストレート
北海道江別市の片岡農場。消滅しかけていた「はるゆたか小麦」を復活させた、はるゆたかの父と言われている故:片岡弘正さんから代々受け継ぐはるゆたか。

勝部ゆめちからストレート
北海道栗山町の広大な土地でギネス級の巨大なコンバインでゆめちから小麦を収穫する勝部征矢さん。不作の年でもしっかり収穫する「小麦の名人」とも言われています。

岩崎農場スペルト小麦粉
北海道由仁町の家族で営む岩崎農場。自身のアレルギーがきっかけで見つけた「スペルト小麦」は、現在岩崎博之さんとその息子さんの二人三脚で作られています。

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