片岡はるゆたかストレート
蛋白:12.7% 灰分:0.47%
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長年不動の人気NO.1を維持するハルユタカ小麦は片岡さんを始めとする江別の人々の努力によって今も生産が続けられています。そんなハルユタカの歴史を感じながらお召し上がりください。 |
はるゆたか物語
北海道で「はるゆたか」が初めて栽培されたのは昭和63年。当初はうどんやラーメン用の小麦粉として開発された。たん白値は高いのだが、麺用小麦に求められる「白さ」をはるゆたかはクリアすることはできなかった。
「色がくすむ」「こんな小麦は使えない」と、当時の製麺会社からは嫌われる存在だった。
そんな「はるゆたか」に初めて光があたったのは、実は九州。 九州で「はるゆたか」をパン用小麦粉として使用する試みが行われ 国産小麦として初めて「パン用小麦」が誕生した。 当時、アメリカからの輸入小麦に対する殺虫剤の試用などがスクープされるなど、輸入小麦に対する 不信感が強く、国産初の強力粉はあっという間に全国で話題になった。
その当時、北海道産小麦の先進企業江別製粉も約2000トンの「はるゆたか小麦」を生産。 美味しくて、独特のモチモチ食感、そしてしっかりと大きく膨らみ、さらに安心の北海道産という 夢のような小麦粉は全国的に大人気となり、国産強力粉の代名詞として普及していった。
平成元年、江別製粉にはたくさんのお客様からの感動の声が続々と寄せられていた。 北海道からすばらしい小麦が生まれたことを、江別製粉の経営陣から生産の農家さんまで皆が喜んでいた。 というのも、輸入小麦が85%を占める日本において、北海道産小麦はそれまでは、実は厄介者とされてきた歴史がある。 北海道産小麦は当時、輸入小麦よりずっと安く販売されていたため、 製粉会社が製造コスト削減のために輸入小麦に混ぜるくらいの役割しか期待されていなかった。 だからこそ、北海道から主役となれる小麦が生まれたことを関係者は喜んだ。
はるゆたかは年々増産と豊作に支えられ順調な成長を続けていた。 しかし、平成7年に突如転機が訪れる。
平成7年7月はるゆたかは順調に成長し、収穫直前。今年も豊作だと誰もが疑わなかった。 7月のある日、突然の大雨。 その豪雨は何日も続いた。 収穫直前だったはるゆたかは甚大な被害を受けた。 小麦特有の「穂発芽」(穂についたまま、小麦が発芽してしまうこと) により、ほぼ全滅となってしまう。
この年を境に、「はるゆたか」は採れなくなっていった。 北海道の気候環境が変わったのだ。 蝦夷梅雨といわれる独特の気候が多くなっていった。 気候の変化に合わせて、より雨に強く、病気に強く、収穫量の多い小麦の開発が急がれた。
開発されたのはHW1号と呼ばれる品種。通称:春よ恋小麦だ。 雨や病気に強い「春よ恋小麦」は奨励品種に指定され、 収穫量の安定しない「はるゆたか小麦」は生産されなくなっていった。
はるゆたかが消え、春よ恋が主流になりつつ中で、 当時の江別製粉の社長をはじめ社員達には、 「はるゆたか」を食べて感動しているお客様の笑顔がどうしても忘れられなかった。 「春よ恋小麦」も確かに収穫量は安定しているし、美味しい。 でも、やっぱり「はるゆたか」特有のあの風味、あの食感が感じられなかった。
「はるゆたか」を残そう!
そう決意した江別製粉は、江別市のある農家に相談する。 後に、「はるゆたかの育ての親」と呼ばれる、楽農園カタオカ代表の片岡弘正さん。 彼のもとに「はるゆたか」を作ってほしい。そう持ちかけた。 農家にとっては、天候に弱く収穫量が安定しない「はるゆたか小麦」は 本音を言えば、やりたくない仕事。 しかし、江別製粉の熱心さに共感し、北海道における「はるゆたか小麦」の新しい 栽培方法の研究開発が始まった。
最初は片岡さん1軒で始まったチャレンジ。当時研究段階だった「初冬蒔き」栽培法にとりくんだ。 「はるゆたか」は「春蒔き小麦」と言われ、4月頃雪解けを待って種をまく栽培法だった。 これに対して「初冬蒔き」は秋の終わりころ、雪が積もり始める直前に種まきが行われる。 種は雪のベットの中で冬を過ごし、雪解けとともに発芽し成長を始める。
この新しい栽培方法の開発により、「はるゆたか小麦」の生産の安定化に成功。 しかし、すでに「春よ恋小麦」への移行が決まっていたため、 種の生産が終了してしまうのだが 江別市と江別農協、江別製粉が連携し、はるゆたか専用の種の生産基地を設置した。
また、 江別製粉の要請を受けて、片岡さんの指導のもと、 はるゆたか小麦の初冬蒔き栽培を取り入れる農家さんは年々増加していった。 リスクを冒して「はるゆたか」を生産する農家さんを江別製粉は会社を挙げて応援し、 この、決して「儲かる」とは言えない途方もない努力を現在も続けている。
はるゆたかの生産は現在では、年間3000トンを生産するまでに回復。 北海道全体の小麦生産量は約60万トンなので、全体に占める割合はわずか0.5%とごくわずかだが、 全国の「はるゆたかを食べたい」という方の要望に、安定してご提供できるまでの量に回復した。
今、私たちが「はるゆたか小麦」を楽しめるのは、まさに江別製粉の情熱と、片岡さんの努力の賜物といえる。